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くるり新曲『その線は水平線』は10年後も聴いていたい名曲

その線は水平線
その線は水平線

くるりほどメンバーチェンジが激しいながらも、自身の音楽性を崩さず評価されるバンドもいない。

くるり通算の31枚目シングルとなる『その線は水平線』。
MVを見て、これはアルバムを待ちきれないとなり購入を決めた。シングルを買うのは何年振りだろうか。

今作は久しぶりに原点回帰したように思える、ギター主体としたスローなBPMが気持ちいい曲だ。
ざらっとした感触のコードを弾くギターに、トランペットとリードギターのメロディが絡み合い、優しく包むようなボーカルが印象的だ。

特筆すべきは、曲構成力だ。
1番と2番でメロディを少しだけ変えており、派手な音色ではなく、その曲による構成で印象を変えている。
近年は京都のオーケストラに交響曲を提供したり、その影響だろうか。
無駄のない音選びと、楽曲のクオリティはただのロックバンドでは手の届かないところのレベルまでいってしまったと言っても過言ではないだろう。

音楽には少なからず流行り廃りがある。
しかし、くるりの音楽はそんな流行りとは別の次元で音を鳴らしていて、いつの時代にも合うような音楽だ。

それを認識するたび、勝てないなと思う。

シングルには別verの同曲も収録されており、そちらはさらにごりっとしたギターの歪みを押し出した曲調になっている。
こちらの方が昔のくるりっぽさがある気がする。

しばらくはリピートの曲が決定した。
いつまでも聴いていたい、心よりそう思う。

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