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The National『Sleep Well Beast 』USインディー重鎮によるロックの回答

SLEEP WELL BEAST [CD]
SLEEP WELL BEAST [CD]

2017年聴き逃していて後悔した音源第1位である。
USインディー重鎮として貫禄が出てきたThe Nationalによる約4年振りになるフルアルバム『Sleep Well Beast 』。

話題になっていたのになぜかタイミングが合わなくてスルーしていたが、MV視聴して気付いたら衝動買いしていた。

上記はアルバム9曲目“Guilty Party”。
エレクトロニック満載な綿密なビートに稀代のメロディメーカーのセンスが光る一曲だ。
初聴時は本当にあのThe Nationalか?と疑ってしまったが、ポップとインディー感の絶妙なバランスは紛れもなくThe Nationalであり、確実に過去作よりアップデートしている。

エレクトロニック色の強いアルバムかと蓋を開けてみれば、一曲目の“Nobody Else Will Be There”のようにセンチメンタルなピアノを主体とした曲もあるし、“Turtleneck”のようにイントロからギターによる必殺リフをかます曲もある多様なアルバムだった。

かといって統一感がないわけではなく、アルバム全体に広がる知的さと、壮大なサウンドスケープには唸るばかりだ。

一番のお気に入りは、先行シングルにて発表された“The System Only Dreams in Total Darkness”だ。
浮遊感のあるシンセフレーズと巧みに計算されたギターフレーズには脱帽するばかりである。

今後も2017年聴ききれなかった曲も積極的に聴いていきたい。
自身のキャリアをアップデートした彼らの作品を見逃していたところだったから。
また、是非ライブを見たいので来日講演に期待する。

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