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uri gagarn『For』は日本インディーズを救う歴史的な一枚になる

For
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我らが日本インディーズの良心 uri gagarnが約5年振りにもなるニューアルバム『For』をリリースした。
以前発売されたep『Face』やシングル『Few/Owl』を経てまさに待望のリリースである。

今作を一言で表すならば、最小限の手段の中の自由さだ。
音の隙間が一層強調され、無駄な音が一切ない。
また既存の曲構成においてもuri gagarnワールドが広がっており、あえてリズムを外したり、繰り返しパートをアレンジの妙で別展開のように聞こえさせたり、まったく楽器の束縛に縛られていない。

どこか哀愁を感じさせるvo 威文橋の声とメロディもグッと来る。

曲単位の感想としては、ep『Face』からの収録曲である“Ijdb”が再録されぐっと音の締まりとまとまりが良くなっていたし、シングル『Few/Owl』もアルバムの雰囲気を損なうことなくピースがはまったような感じがした。

アルバム曲の中では前半と後半の展開の移り変わりが癖になる6曲目“Dept”や静の動の変化により激しい表情を見せてくれる“Wall”が特にお気に入りだ。

MVが公開された“Jinx”の映像も、シュールな世界観と媚を売らない硬派さが感じられるシロモノとなっている。

vo 威文橋の演技がハマり役過ぎて笑ってしまった。

今年度のベストアルバムなのではと思ってしまうほど良かった。
まさに日本インディーズを救う歴史的な一枚だ。

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