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緻密なアレンジ Kamasi Washington『Harmony of Difference』

Harmony of Difference [帯・解説付 / 国内仕様輸入盤CD] (YTCD171JP)
Harmony of Difference [帯・解説付 / 国内仕様輸入盤CD] (YTCD171JP)

ジャズに関して言えば、あまり普段から漁っているわけではないが、去年LAジャズシーン重要サックス&コンポーザー Kamasi Washingtonの新譜『Harmony of Difference』(というよりはある1曲)が最高だったという声を多く見かけた。

2016年でフジロックで来日した程度の記憶しかなかったが、最近ジャズを聴きたいモードに入っていたため購入を決めた。

一聴して見ると、今作は普段ジャズに慣れ親しんでいない私でも感動を覚えた良作だった。
ジャズに対して、アドリブのソロ回しや即興性に対して魅力を感じる人にとっては少々物足りないかもしれない。
しかし、Kamasi Washingtonの綿密かつ緻密な曲構成によってあまり見られない壮大さを勝ち取っている。

今作は全6曲のミニアルバム扱いの作品となっている。
1〜5曲目までに関しては、全て4分以内に収まっており、そこの部分に関しては少々私も物足りなさを感じた。
しかし、今作における聞きどころは6曲目“Truth”だ。
約14分もの壮大な曲になっており、緩やかなコード進行の上に様々な楽器による耽美なメロディが乗っかり、まさにハーモニーといったところか。
最大の盛り上がり時にはコーラスワークが重なりこれが大変素晴らしい。

古典的な作品では決してなく、まさにモダンジャズを象徴する1曲だろう。