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春に、日常に彩りを haruka nakamura『アイル』

アイル
アイル

haruka nakamuraの春をイメージした全6曲入りep作品『アイル』。
ジャケットが昨今めっきりみなくなった8cm 短冊CDジャケット仕様となっていてなんとも可愛らしい。

アルバム『音楽のある風景』『光』と最近続けてきた“PIANO ENSEMBLE”としての活動に区切りをつけてからの今回のepのリリース。“PIANO ENSEMBLE”の活動作品もまた大好きで、特に『音楽のある風景』は自分の人生においての外すことはできないアルバムなのだが、名盤『grace』の世界観を引き継いでいるとのことだったので即購入した。

今作はどこまでも素朴で、聴いた瞬間に周囲の景色が色づくような不思議な魅力を持っている。

1曲目の新曲“アイル”では『grace』でもボーカルを担当していたJanis Crunchを再びフューチャーされている。
心を打つメロディと瑞々しさに、歩きながら聴いていると泣いてしまいそうになる。

2曲目“アルネ”は『grace』の名曲“arne”を再構築した内容でこれがまたいい。
優しいギターの音色が一層フューチャーされていて、ノスタルジックな雰囲気が絶妙だ。
その他曲も春にぴったりな内容で、6曲だけでなくフルアルバムで欲しかったぐらいだ。

haruka nakamuraの音楽はエレクトロニカにカテゴライズされるが、最近の彼の音楽はそのカテゴライズより一歩先に進んだもののように思える。
どちらかというと映画のサントラのような、聴く人々の人生に音楽が寄り添う素晴らしい音楽だ。
是非今作については外で聴いてみてほしい。いつもの日常が劇的に彩りを持つようになり、音楽のある風景に変わる。

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