Radio Propagation -音楽レビューブログ

不定期更新音楽レビューブログ

warbear『warbear』を聴くと孤独が好きになる

warbear
warbear

Galileo Galileiフロントマン、尾崎雄貴のソロ名義となるwarbear初のアルバムであり、セルフタイトルとなる『warbear』。

キャリアとしてはGalileo Galilei最後のアルバム、『Sea and The Darkness』以来のリリースとなり、また彼の音楽を聴けるのは楽しみでもあったが、初のソロということもありどのように変わってしまうのかと少し躊躇してしまった。
しかし、その心配は全くの杞憂であったと断言する。

下記インタビューにもあるように、今作のテーマは『孤独』だ。

インタビュー中で二日酔いで曲を書いたというから、力の抜けたアルバムかと思ったら今作はどこまでも暗く、孤独という重いテーマを取り扱う。
しかし、彼が歌うことで温かく聴き手の孤独も受け入れられてしまうような錯覚に陥るのは本当に不思議だ。
歌詞に救いはないが、彼の孤独により聴き手の孤独を和らげるとでも言うのだろうか。

敢えて彼のキャリアであるGalileo Galileiの作品と比較するのであれば、今作は解き放たれたような自由さがあるのだ。
バンド時代はしっかりとアルバムの中にタイアップ曲を混ぜ込み、そのタイアップ曲も浮くわけではなく、子供がいたずらを隠すような遊びごころをアルバム内に仕込んでいたが、今作は世間の目を気にしない自由さがある。

自由さは作風にも現れており、彼の影響を受けた音楽が所狭しとと並べられており、もはやいい意味でジャンル分けできない。

下記リンクは今作の唯一のリード曲である“Lighits”。
エレクトロ色が強く、展開・アレンジの妙が光る一曲となっている。

また、今作のアルバム一曲目でもある“車に乗って”というタイトルにもグッと来てしまった。
彼はまた“車に乗って”走り出したのだ。

Galileo Galileiメンバーによる新バンド、Bird Bear Hare and Fishの活動開始が発表されており、今年も彼からは目が離せなくなりそうだ。

wpX